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論語:子曰く「論語は小1から」!? 古典重視、音読広がる /東京


6月7日13時2分配信 毎日新聞


 ◇専門家、読解力に疑問も
 中国の思想家・孔子の「論語」教育に力を入れる公立小学校が登場した。今年4月から教科「日本語」を新設した世田谷区は、独自の教科書を作成し、1年生から論語や漢詩を盛り込んだほか、栃木県足利市も今年度から、小中学校の論語の素読体験を義務付けた。文部科学相の諮問機関・中央教育審議会でも、論語など古典の充実を求める意見は多く、改定される学習指導要領に反映される見通しだ。今なぜ古典なのか。
 「子曰(いわ)く、学びて時に之を習う、亦(ま)た説(よろこ)ばしからず乎(や)」(先生がおっしゃいました。「学んだことを、ちょうどいいときに何度もおさらいをしてよくわかり、身につけることはうれしいなあ」)
 世田谷区は4月、国の教育特区制度を利用して新設した教科「日本語」は、深く考える児童・生徒を育成が狙い。小1の教科書には地元の民話や宮沢賢治の詩のほか、論語や杜甫の漢詩も登場。2学期末ごろには、6~7歳児も「子曰く」と音読する予定だ。
 区教委の小島茂・教育指導課長は「簡単な説明はするが、細かい解釈の理解は求めない。日本語の響きやリズムを楽しんでもらいたい」と説明する。規範意識の低下が叫ばれる中、道徳心も育てる「一挙両得」の狙いもありそうだが「そういう発想はない」と言う。
 論語などを教えた国内最古の総合大学と言われる史跡「足利学校」がある栃木県足利市。市教委は足利学校に社会科見学に行き、論語の素読体験をするよう市内小中学校33校に義務付けた。原則小4、中1は市教委が独自に作った「論語抄」をもとに素読する。市教委は「郷土への愛着を育てたい」と語る。
 学習指導要領では、小5~6で「文語調」の文章を指導することになっているが、大半は短歌や俳句が中心で、論語を掲載した国語の教科書は5社中わずか1社だ。
 古典重視の傾向について文科省は「改正教育基本法でも『伝統と文化を尊重する』ことが教育の目標に掲げられ、中教審でも『伝統と文化』を重視する流れがある」と分析。千葉大教育学部の明石要一教授は「古典には文章のリズムがあり、安定感がある。辞書を引くチャンスも増え、教養につながる。子供の読解力を考えると論語や漢詩は小4程度から教えるのがいい」と話している。【高山純二】<え・菅原庸平>